2016/9/19特集

相続時精算課税制度について藤谷 幸生


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9月になっていくらか涼しくなってきましたね。

 

先月までは、蝉も元気に鳴いていましたが、

少しずつ蝉の鳴く声も少なくなり、

今では夜、コウロギが鳴いています。

 

秋を感じさせる季節になりました。

 

年内に新築戸建て購入に向けて物件をお探しの方にとっては

これからが本格的に動かれる時期かもしれませんね。

 

前回、『新築戸建て購入時の親からの資金贈与について』と題して

贈与者が資金贈与をした理由、受贈者が資金贈与を受けた理由など

アットリサーチによる調査結果に基づき、記載させて頂きました。

 

今回は、新築戸建て購入の際、もう一つの資金贈与の特例であります、

相続時精算課税制度について触れてみたいと思います。

 

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度は、贈与者が受贈者の父母または祖父母で、

受贈者は受贈した年の1月1日現在で20歳以上の方が、

2,500万円の特別控除額を控除対象として受けられる制度です。

 

相続時精算課税制度には、一般と住宅取得等資金の特例があります。

 

一般は、不動産を含む全ての財産を贈与出来ますが、

贈与者が贈与した年の1月1日現在で60歳以上 という制限があります。

 

住宅取得等資金の特例は、その年齢制限がなくなる代わりに

贈与できる財産が、不動産を取得するための金銭に限られ

また、物件に対する様々な条件が付与されます。

 

住宅取得等資金贈与の非課税特例では、

受贈者の所得金額が2,000万円以下という制限がありましたが、

相続時精算課税制度では、一般・住宅取得等資金の特例ともに

所得制限はありません。

 

①適用対象となる住宅用家屋等

住宅取得等資金贈与の非課税特例では、

延べ床面積が50㎡以上240㎡以下

でなければ対象になりませんでした。

 

相続時精算課税の住宅取得等資金の特例では、

延べ床面積が50㎡以上であることで、上限はありません。

 

ご家族で、二世帯・三世帯住宅を希望されている場合、

延べ床面積が240㎡越えてしまうようなケースでは

相続時精算課税制度の適用を受ける方が良いのかもしれませんね。

 

②入居条件

相続時精算課税の住宅取得等資金の特例では、

入居条件として、贈与を受けた年の翌年3月15日までに

取得した住宅に居住しなければなりません。

 

どうしても、3月15日までに建物が完成しない場合で、

後日遅滞なくその住宅に居住することが確実であると

見込まれるときは、適用を受けることができます。

 

但し、贈与を受けた年の翌年12月31までに居住する

ことができない場合は、住宅取得等資金の特例は、

適用されなくなり、贈与税の対象となりますので

ご注意下さい。

 

※住宅取得等資金贈与の非課税特例も同様です。

 

一般の相続時精算課税では、入居条件はありません。

 

③非課税枠

住宅取得等資金贈与の非課税特例では、

平成28年分の一般住宅では、700万円

更に、基礎控除の110万円

を加算した810万円が非課税でした。

※質の高い住宅については、1,200万円

 更に、基礎控除の110万円

 を加算した1,310万円が非課税。

 

相続時精算課税制度では、

2,500万円の特別控除額が控除対象となります。

 

資金贈与の額が多いほど、

メリットも大きくなりますね。

 

※相続時精算課税制度を受けた場合には、

 住宅取得等資金贈与の非課税特例と同様

 翌年(平成29年3月15日まで)税務署での

 確定申告が必要となります。

 

非課税特例と相続時精算課税の併用

住宅取得等資金贈与の非課税特例を選択するか、

相続時精算課税制度を選択するかは、適用条件を

満たしていれば、どちらでも自由に選択できます。

 

または、両方を合わせて適用を受けることも可能です。

例えば、平成28年分の一般住宅の場合で700万円(非課税特例)

+2,500万円(相続時精算課税)=3,200万円(資金贈与)

贈与税はかかりません。

 

その際、基礎控除の110万円は適用されませんのでご注意下さい。

 

相続発生時の相続財産への加算

住宅取得等資金贈与の非課税特例と

相続時精算課税の住宅取得等資金の特例とは、

共通する事項も多いですが、大きな違いがあります。

 

相続時精算課税では、贈与者の相続が発生した場合に

贈与財産の価格に相続時精算課税制度を適用して

贈与を受けた財産の価格(贈与時の価格)を

相続財産に加算して相続税の計算をします。

 

その際、既に支払った贈与税額がある場合は、

相続税額から控除されます。

尚、控除しきれない金額は、還付されることになっています。

 

住宅取得等資金贈与の非課税特例は、

相続が発生しても相続財産に加算されることはありません。

贈与を受けた年において課税関係が完結となります。

 

相続時精算課税制度を選択する場合には、

贈与者の財産価格にもよりますが、十分注意をして

選択することが必要です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

最後に、贈与者が父母または祖父母といっても、

自分自身の父母または祖父母のことであり、

配偶者の父母または祖父母は対象となりませんので

注意が必要です。

※住宅取得等資金贈与の非課税特例も同様です。

 

配偶者の父母または祖父母から資金贈与を受ける場合は、

配偶者が相続時精算課税制度(資金贈与)の適用を受けて、

配偶者との共有名義で新築戸建てをご購入することを

お勧め致します。

 

埼玉の不動産 ハウス壱番館の藤谷でした^^